近視進行抑制

お子様の近視は
 「眼鏡をかける」から
  「進行を抑える」時代へ。

急増する子どもの近視。将来の重篤な目の病気リスク(強度近視)を防ぐため、当院では一人ひとりに合わせた抑制治療をご提案します。

子供の視力低下のサイン
こんな症状や不安はありませんか?

テレビや本を極端に近づけて見る
目を細めて見る
ご両親の近視が強い
将来の視力低下が心配

※少しでも気になることがあれば、お子様の視力を守るためご相談ください。

子どもの近視は今、
深刻な問題になっています

デジタルデバイスの普及や屋外活動の減少により、日本の子どもたちの近視は年々増加しています。学校生活の中でも、黒板が見えにくい、目が疲れやすい、眼鏡の度数が短期間で進むなど、近視の進行が日常生活へ影響する場面が少なくありません。文部科学省の学校保健統計調査でも、近視の割合は学年が上がるにつれて増加することが示されており、早い時期から適切に経過をみていくことが重要です。

裸眼視力1.0未満の割合

80%60%40%20%0%
約38%
小学生
約61%
中学生
約71%
高校生
出典:文部科学省 学校保健統計調査(令和4年)

「見えにくい」だけではありません

子どもの近視の多くは、眼球が前後に伸びる(眼軸長が伸びる)ことで、ピントが網膜より手前に合ってしまう「軸性近視」です。そのため、単に眼鏡で見えるようにするだけでなく、将来的な進行そのものに目を向けることが大切です。

眼軸長は、いったん伸びてしまうと元に戻すことができません。成長期に近視が進行すると、成人後に強度近視へつながる可能性があり、将来の眼の健康に長く影響することがあります。

正視眼と軸性近視の違いを示す図
⚠ 近視が進行して強度近視になると、成人後に緑内障・網膜剥離・黄斑変性などの重い眼疾患のリスクが高まることが知られています。だからこそ、子どもの時期から近視の進行を丁寧にみていくことが重要です。

将来の眼疾患リスク (オッズ比)

近視が強くなるほど、将来の眼疾患リスクは高くなることが知られています。特に強度近視では、見えにくさだけでなく、成人後の眼の病気にも注意が必要です。

強度近視に関連する主要な眼合併症リスク
合併症 近視の定義
/評価項目
オッズ比
[95%信頼区間]
網膜剥離 ? 眼球の内側にある網膜が剥がれる病気です。放置すると失明に至る危険性があります。
[1]
強度近視
< −6 D
21.6 [10.3, 45.4]
緑内障 ? 視神経が障害され、視野(見える範囲)が徐々に欠けていく病気です。中途失明原因の上位を占めます。
[2]
中等度近視
−3.0D超
2.60 [1.56, 4.35]
黄斑症 ? 網膜の中心(黄斑)が引き伸ばされてダメージを受け、視力低下や中心が見えなくなる病気です。
[3]
眼軸長増加
1mm毎
2.94 [2.19, 3.95]

オッズ比(Odds Ratio:OR)とは、ある要因がある場合とない場合で、病気が発生する確率の差を比較する統計指標です。

近視進行予測シミュレーターβ版
現在の年齢(予測開始地点)
現在の屈折(近視)度数
ステップ1: 薬物治療
ステップ2: 光学治療
軽度近視
中等度近視
強度近視
-1.0D
-2.0D
-3.0D
-4.0D
-5.0D
-6.0D
-7.0D
-8.0D
-9.0D
-10.0D
現在 17歳時点
未治療の進行予測
治療介入時の進行予測
17歳までに
悪化する度数 (未治療)
17歳までに
悪化する度数 (治療時)
1. 未治療時の近視進行ペース(年齢別ベースライン) 近視の進行は一定ではなく、年齢によってスピードが変化する「非線形(途中で折れ曲がる)モデル」を採用しています。(*1)
  • 7歳〜11歳(進行スピードが最も速い時期): 年間で約 -0.60D〜-1.00D(眼軸長 約0.3mm〜0.4mm)ペースで進行するハイリスク期として設定。
  • 12歳以降(進行スピードが緩やかになる時期): 身体の成長の落ち着きに伴い、年間で約 -0.25D〜-0.50D(眼軸長 約0.1mm〜0.2mm)ペースへ減速するよう設定。
  • 開始年齢による違い: 治療開始が低年齢であるほど17歳時点での累積進行量(悪化する度数)は大きくなり、高年齢で開始するほど累積進行量は少なくなります。
2. 各治療法の単独抑制率(ステップ1・2を単独で行った場合)
  • 低濃度アトロピン点眼: 一律 約35% 抑制 (*2)
  • オルソケラトロジー: 開始時の「近視度数」によって効果が自動変動します。
    • -4.0D 〜 -6.0D(高度数): 約60% 抑制(角膜の形状変化が大きく、強い進行抑制効果を発揮)。(*3)
    • -1.0D 〜 -3.0D(低〜中度数): 約35% 〜 45% 抑制(角膜の削り幅が少なく、周辺部デフォーカスという光のバリアが弱くなるため、単独では効果が減弱する臨床データを反映)。(*4)
  • 多焦点コンタクト(MiSight等): 全度数共通で 約59% 抑制(臨床試験データに基づき、装用1年目は62%、2年目以降は59%として開始年齢に応じた加重平均で算出)。(*5)
3. 併用療法による相乗・上乗せ効果(ステップ1と2を同時に行った場合) 光学治療のベース抑制効果に対し、アトロピンによる薬理的な抑制効果が乗算(上乗せ)されるロジックを組んでいます。過剰な抑制率にならないよう上限を設けています。
  • 低〜中度数オルソ(-1.0D〜-3.0D) + アトロピン: 単独では弱い光学的バリアを薬が補うことで著明な【相乗効果(+25%)】が働き、トータル 約60% 〜 70% 抑制へと大幅に引き上げられます。(*6)
  • 高度数オルソ(-4.0D以上) + アトロピン: ベースの高い抑制効果に【上乗せ(+10%)】され、トータル 約70% 抑制となります。(*6)
  • 多焦点コンタクト + アトロピン: ベースの高い抑制効果に【上乗せ(+10%)】され、トータル 約69% 抑制となります。(*7)
4. グラフの「帯の幅(色のついた範囲)」について 中心の濃い線が「平均的な進行」を示し、色のついた帯の範囲は進行速度の個人差を表しています。
上端(悪化が強い方)は平均の約1.5倍進行しやすいペース、下端(悪化が弱い方)は平均の約0.5倍のペースとして計算し、治療介入時もその個人差の幅が引き継がれる仕様です。
【参考文献】 *1 国際ガイドライン / アジア人小児データ: IMI (International Myopia Institute) Clinical Management Guidelines Report および BHVI (Brien Holden Vision Institute) 等の眼軸長伸長コホート研究
*2 低濃度アトロピン: LAMP Study (Two-Year Clinical Trial of the Low-Concentration Atropine for Myopia Progression) 等の報告値
*3 オルソケラトロジー (高度数): ROMIO Study, LORIC Study, CRAYON Study 等における平均的抑制率
*4 オルソケラトロジー (低度数効果減弱):初期近視度数が低いほど角膜の形状変化量が少なくなり、眼軸長を抑制する「周辺部デフォーカス」が弱くなるという光学的特性に基づく(Zhong, Y. et al., 2014、Chen, Z. et al., 2017 等の臨床研究より)
*5 多焦点コンタクト: MiSight 1 day 6年間の長期多施設臨床試験データ(1年目62%、以降59%)
*6 オルソケラトロジー + アトロピン併用: Kinoshita et al. (2020) 等の報告(低度数において特に著明な相乗効果が得られる)
*7 多焦点コンタクト + アトロピン併用: BifocalソフトCLとアトロピン併用の相加上乗せ効果を示す学術報告(Huang et al. 等)
【免責事項・注意事項】
本シミュレーターの予測値はあくまで視覚的な参考です。近視の進行は一定ではなく、低年齢ほど速く、高学年から中学生以降にかけて徐々に緩やかになる傾向があります。個々の患者様の実際の近視進行や、治療による確実な抑制効果を保証するものではありません。実際の進行度合いや治療効果は、生活環境、遺伝的背景、開始年齢、および治療の継続性(コンプライアンス)によって個人差が生じます。本シミュレーターは研究データを参考に17歳時点の予測値を算出し、見やすさのため直線で表示しています。
まずはご相談を

お子様の年齢や近視の度数に合わせ、最適な進行抑制治療をご提案します。

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広島市『みやた眼科』の
近視進行抑制治療の選択肢

オルソケラトロジー治療

オルソケラトロジーメニコン オルソK

夜寝る前に特殊なハードコンタクトレンズをつけて角膜の形状を一時的に矯正することで、日中は裸眼で過ごせます。スポーツをするお子様にも非常に快適です。

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低濃度アトロピン点眼治療

低濃度アトロピン点眼リジュセア®ミニ点眼液0.025%

1日1回、寝る前に目薬を点すだけ。副作用がほとんど出ない低濃度の成分です。コンタクトレンズの装用が難しい低年齢のお子様でも、ご家族の管理下で手軽に始められます。

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マイサイト 1 day 多焦点ソフトコンタクト

多焦点ソフトコンタクトMiSight® 1 day

近視の進行を抑制する特殊な光学デザインの1日使い捨てソフトコンタクトレンズです。衛生面で安心の毎日新品です。紛失や破損のリスクがなく安心です。

詳細を見る
近視進行抑制サプリメント

手軽な近視予防サプリメント

当院では、お子様が飲みやすい近視進行抑制サプリメント(クロセチン配合など)も取り扱っております。目薬やコンタクトの装用が難しい場合や、他の治療と併用して目の健康をサポートしたい方におすすめです。詳細はお気軽に医師にご相談ください。

メーカー製品ページ

近視進行抑制 治療比較

横にスクロールできます
比較項目 低濃度アトロピン
リジュセアミニ
オルソケラトロジー
メニコン オルソK
多焦点ソフトコンタクト
マイサイト 1 day
進行抑制
効果
★★
約30~40%
★★★
約30~60%
★★★★
約52~63%
適応屈折
範囲
全範囲
(視力矯正は別途必要)
近視:-1.25D ~ -4.00D
乱視:-1.50D まで
近視:-0.25D ~ -10.00D
乱視:-0.75D 未満
日中の
裸眼生活
不可
*眼鏡等が必要
可能 不可
*日中装用
メリット ・毎晩1回の点眼のみで手軽 ・低年齢から導入しやすい ・自己管理や感染リスクなし ・初期費用負担が軽い ・日中裸眼のため水泳等のスポーツに向いている ・就寝時のみ装用のため保護者が管理しやすい ・近視矯正+進行抑制 ・レンズ作り替えがない場合、2年目以降の費用は安い ・1日使い捨てで清潔・安心 ・ケア不要 ・メガネ不要でスポーツ向き ・近視矯正+進行抑制 ・高い進行抑制効果 ・紛失や破損リスクなし
デメリット ・近視矯正効果はないため、別でメガネ等が必要 ・近視進行抑制効果はやや控えめ ・治療中止時のリバウンド ・初期費用が高額 ・毎晩のレンズ着脱・ケアが必要 ・ハードの装用感に慣れが必要 ・紛失や破損リスク ・レンズ再作成時は費用が発生 ・装用時間の確保(1日10時間以上・週6日以上の装用推奨) ・月々固定のレンズ代が高額のため長期の維持費用が最も高額 ・小学校低年齢では着脱が難しい可能性
費用目安
(検査料込)
*2026.6時点
年額 48,918円 内訳: 薬代 46,200円
+ 検査料 2,718円
3年総額: 146,754円
1年目 176,088円
2年目 31,416円
内訳: 自費検査・ケア代 ※レンズ作り替えがない場合 3年総額: 238,920円
年額 135,320円 内訳: レンズ代 132,000円
+ 検査料 3,320円
3年総額: 405,960円

※ 進行抑制効果のデータに関する補足

  • 低濃度アトロピン: ATOM2研究等の結果から約15%、より高濃度のLAMP研究等で約30%など、濃度や報告により幅があります。
  • オルソケラトロジー: ROMIO(香港)研究などのメタ解析において、概ね30〜60%の眼軸長伸長抑制効果が報告されています。
  • MiSight 1 day: 7年間の継続臨床試験(Chamberlain)において、装用1年目に最大63%、長期でも平均52%の眼軸長伸長抑制効果が実証されています。
オルソケラトロジーの効果(30〜60%)に幅があるのはなぜ?

これは、角膜の矯正によって生まれる「周辺部デフォーカス(近視を抑える光のブレーキ)」の強さが、元の近視の強さによって自動的に変わるためです。

  • 効果が30%程度になるケース(軽度近視・高年齢):
    元の近視が軽いと角膜を少し凹ませるだけで済むため、ブレーキの力もマイルドになります。しかし、進行エネルギー自体が落ち着いている時期なので、このブレーキでも十分にコントロール可能です。
  • 効果が60%近くまで高まるケース(中等度近視・低年齢):
    近視が進みやすい時期で、元の近視が強い場合、角膜をしっかり凹ませる必要があります。その結果、網膜周辺に「強力なブレーキ」がかかり、進行を大きく食い止めます。近年はレンズデザインの進化により、この効果をさらに高める工夫もされています。

つまり、「進行リスクが高いお子様ほど、オルソのレンズが強くブレーキをかけて目を守ってくれる」という優れた特徴を持っています。

制度への移行

選定療養制度による「低濃度アトロピン点眼」のメリット

当院では「低濃度アトロピン点眼治療」において、保険診療と併用可能な選定療養制度を導入しています。

  • 定期検査や診察の一部に健康保険が適用されるため、全額自費診療だった従来よりもコストを抑えられます。
  • 費用負担が軽くなることで、成長期に必要な長期間の治療(2年以上)を継続しやすくなります。
  • 保険診療の枠組みの中で、目の健康状態を専門医が定期的にチェックするため安全性が担保されます。
※「MiSight 1 day(マイサイト)」などのコンタクトレンズ治療に関しても、眼科での診察・定期検査は健康保険が適用されます(コンタクトレンズ代金のみ自費扱いとなります)。

近視のメカニズムと

予防策について詳しく知る

近視とは?

近視とは、眼球が前後に楕円形に伸びて(眼軸長が伸びる)、ピントが網膜より前で合ってしまう状態です。多くは学童期に始まり、体の成長とともに進行します。

単に「メガネやコンタクトが必要になる」だけでなく、将来的に「強度近視」になると、緑内障や網膜剥離、近視性黄斑症といった深刻な目の病気のリスクが高まることがわかっています。

文部科学省の調査によると、裸眼視力1.0未満の割合は小学生で約3割、中学生で約6割に達しており、子どもの視力低下は現代の大きな健康課題となっています。

近視の2大原因(遺伝と環境)

近視の発症や進行には、主に「遺伝」と「環境」の2つの要因が複雑に絡み合っています。

① 遺伝要因
親が近視である場合、子どもも近視になりやすい傾向があります。特定の染色体(12番や18番など)に強度近視の遺伝子があることが明らかになっており、遺伝要因が強い場合は、小学校低学年といった比較的早い時期から視力低下が始まることが多いとされています。

② 環境要因
近年、小学校低学年でもメガネをかける子どもが急増しており、これには環境要因が大きく影響しています。

  • 近見作業の増加: スマートフォンや携帯ゲーム機に加え、GIGAスクール構想による学校での1人1台端末の普及により、近くの画面を長時間見続ける時間が大幅に増加しています。
  • 屋外活動の減少: 日本眼科医会も指摘している通り、「日光を浴びる外遊び」の減少は近視進行の大きな要因です。

子どもの眼球は18歳頃(特に12歳まで)にかけて著しく成長します。この成長期に近見作業が多く外遊びが少ないと、眼球の成長バランスが崩れて眼軸が伸びてしまうと考えられています。

いつから?メガネとコンタクト

■ メガネは視力いくつから?
一般的には、「小学生なら0.5以下、中学生なら0.7以下」がひとつの目安とされています。しかし、実際の装用は視力の数値だけでなく、近視の強さ(レンズの厚さ)や日常生活の不便さを総合的に考慮して眼科医が判断します。
近年は学校で電子黒板やタブレット端末が普及し、より小さな文字や画面を正確に見る必要が出てきたため、学習への悪影響を防ぐ目的で、以前よりも早めのメガネ装用を推奨するケースが増えています。また、本人が不便を訴えていなくても、左右の視力差が大きい場合や斜視の可能性がある場合は、早期のメガネ装用が必要です。

■ コンタクトレンズは何歳から大丈夫?
近年のコンタクトレンズは性能が向上しており、目への障害リスクは減っています。しかし、レンズの洗浄や装用時間のルールなど、自分自身で責任を持って安全に管理できる年齢であることが不可欠なため、基本的には「中学生以上」からの使用が推奨されます。
ただし、スポーツなどの理由でどうしてもメガネの装用が困難な場合は、眼科医の指導と親御さんの厳重な管理下において、小学生(高学年など)でも使い捨てコンタクトレンズをその時だけ使用できる場合もあります。

組み合わせ(併用)治療について

お子様の近視の状況や進行度合いによっては、単独の治療法だけでなく、例えば「低濃度アトロピン点眼」と「オルソケラトロジー」など、複数の治療法を組み合わせることで、より高い近視進行抑制効果を目指す場合もあります。担当医師にご相談ください。

日常生活で気を付けたいこと

治療と併せて、以下の点にも注意しましょう。

  • 屋外活動
    1日1~2時間程度、屋外で過ごすことは近視進行抑制に有効と言われています。太陽光(バイオレット光360-400nmの波長)を浴びることが大切です。
  • 適切な近業距離
    本やタブレットなどを見る際は、目から30cm以上離しましょう。
  • 休憩
    30分程度の近業作業(読書、勉強、ゲームなど)をしたら、20秒ほど遠くを見て目を休ませましょう。
    ※20-20-20ルール(日本眼科医会)
  • 明るさ
    部屋を適切な明るさにして過ごしましょう。電気スタンドは非利き手側前方に置き、目に直接光が入らないようにフードをつけて方向を調節しましょう。
  • 姿勢(椅子の高さ・机の高さ・卓上照明)
    椅子に深く腰掛けて、太もも全体に体重がかかり、足の裏全面が床につくように高さを調節しましょう。床に足がつかない時は足元に台を置き、背中が背もたれにつかない時はクッションを背中に置きましょう。両腕を軽く机において肘が直角なるように机の高さを合わせて下さい。

子供の近視や治療に関する

よくあるご質問(FAQ)

近視進行全般に関するQ&A

Q. 一度進んでしまった近視は、治療で元の視力に戻りますか?
A.

残念ながら、一度進行した近視(眼軸長という目の奥行きが伸びてしまった状態)を元の長さに戻すことは現在の医学ではできません。そのため、これ以上近視を進ませないための「進行抑制」が治療の最大の目的となります。

Q. 複数の治療を同時に行う(併用する)ことは可能ですか?
A.

可能です。近年では、「オルソケラトロジー + 低濃度アトロピン」や「多焦点コンタクト + 低濃度アトロピン」といった併用治療を行うことで、単独で治療するよりも高い近視抑制効果が期待できるという研究データも出ており、多くの眼科で推奨されています。

オルソケラトロジー Q&A

Q. 何歳から始められますか?
A.

ガイドライン上の適応は原則としてありますが、近視の進行は低年齢ほど早いため、眼科医の慎重な判断のもと、小学校低学年(あるいはそれ以下)から治療を開始するケースが増えています。

Q. 寝ている間にハードレンズを着けて、子どもは痛がりませんか?
A.

着け始めの数日間はゴロゴロとした違和感を訴えるお子様が多いですが、寝ている間はまばたきをしないため、ほとんどのお子様が1週間程度で慣れて朝までぐっすり眠れるようになります。

Q. レンズの管理は子ども自身で行うのですか?
A.

小学生の間は、重篤な角膜感染症を防ぐため、原則として保護者の方がレンズの洗浄、保存、着脱のサポート(または確認)を行う必要があります。

低濃度アトロピン(点眼薬)Q&A

Q. 点眼薬に副作用はありますか?
A.

通常の眼底検査で使う散瞳薬(瞳孔を開く薬)を非常に薄くしたお薬です。そのため、まぶしさを感じたり、手元が見えにくくなったりする副作用はほとんどありません。ごく稀に、点眼によるアレルギー性結膜炎(充血やかゆみ)が起きることがあります。

Q. どのくらいの期間、毎日点眼を続ける必要がありますか?
A.

近視が最も進行しやすい学童期から中学生頃にかけて継続することが推奨されています。効果を判定するためにも、最低2年間は毎日(就寝前に1滴)継続していただくのが一般的です。

多焦点コンタクトレンズ Q&A

Q. 小学生にソフトコンタクトレンズの扱いは難しくないですか?
A.

クリニックでの装用練習を行えば、小学生でもご自身で着脱できるようになります。「マイサイト」などは1日使い捨て(ワンデー)タイプであるため、毎日の面倒なレンズケアが不要で、常に清潔な状態で使用できるのがメリットです。

Q. 普通のコンタクトレンズと、近視抑制用のコンタクトは何が違うのですか?
A.

一般的なレンズは中心部分のピントを合わせるだけですが、マイサイトなどの多焦点レンズは特殊な設計になっており、「網膜の手前にもピントを結ばせる(周辺部近視性ボケ)」構造をしています。この特殊な光の刺激が、目の奥行き(眼軸長)が伸びるのを抑えるブレーキとして働くと考えられています。

Q. 日中はずっと着けていなければなりませんか?
A.

近視抑制の十分な効果を得るためには、週に6日以上、1日10時間以上装用することがメーカー等から推奨されています。

【参考・引用元】

  • 文部科学省「令和5年度 学校保健統計調査」
  • 公益社団法人 日本眼科医会「気をつけよう!子どもの近視」「ICT教育と目の健康啓発活動」
  • 日本近視学会「近視とは?」
[1] Haarman AE. et al.: Lancet. 2020; 395(10217):34-42.
[2] Suzuki Y. et al.: Ophthalmology, 113, 1613-1621 (2006) <多治見スタディ>
[3] Hada E. et al.: JAMA Ophthalmology, 138, 887-894 (2020) <久山町スタディ>

※ご注意

このページの情報は一般的なものであり、全てのお子様に当てはまるわけではありません。治療法の選択や適応については、必ず眼科専門医にご相談ください。

最新レポート2026.5

ASIA-PACIFIC 

MYOPIA MANAGEMENT 

SYMPOSIUM

子どもの目を守る「トピック10」

クーパービジョン主催

1

「1ジオプター」の進行抑制が
将来のリスクを約40%下げる

近視度数の進行を1D(ジオプター)低く抑えるだけで、将来の近視性黄斑症のリスクを約40%低減できることが、過去の大規模データの解析から証明されています。

2

眼軸長の延長が
将来の失明リスクを急増させる

近視の進行に伴い眼の奥行き(眼軸長)が26mmに達すると、生涯の低視力や失明のリスクは約30%になり、30mmを超えると約90%(10人中9人)にまで跳ね上がります。

3

マイサイトには
約50%の近視進行抑制効果がある

7年間にわたる世界的な臨床試験の結果、マイサイトワンデーは近視の進行(屈折異常の進行や眼軸長の伸長)を約50%(52〜59%)抑制することが確認されています。

4

治療を中止しても
近視進行の「リバウンド」は起きない

マイサイトの治療(装用)を中止した後の経過観察において、近視の進行が急激に加速するような「リバウンド現象」は観察されず、年齢相応の自然な成長ペースに戻るだけであることが証明されています。

5

日本人の子供は未治療での
近視進行スピードが速い

日本人を含む東アジア人の子供は、グローバル試験に参加した他地域の子供たちと比較して、未治療状態での近視進行スピードが約33%速いという特徴があります。

6

進行の速い日本人に対しても
優れた抑制効果を発揮する

もともとの進行スピードが速い日本人の小児に対しても、マイサイトは約50%の進行抑制効果を発揮し、結果として抑えられた近視進行の絶対量(効果の大きさ)は世界データよりも大きくなることが確認されました。

7

10年間の長期装用でも
眼への悪影響はない(高い安全性)

10歳から1日10時間、週6日のペースで10年間MiSight1dayの装用を続けた英国の追跡調査において、非装用群と比較して角膜内皮細胞や角膜の厚さ等への悪影響は一切認められませんでした。

8

目の状態(度数や瞳孔径)にかかわらず
一貫した効果がある

実際の診療現場のデータにおいて、マイサイトは近視の強さ、乱視の強さ、瞳孔の大きさといった条件に依存することなく、一貫して安定した近視抑制効果を発揮することが分かっています。

9

点眼薬との「併用療法」により
追加の抑制効果が得られる

マイサイトで治療効果が不十分で近視の進行が速い子供に対して、低濃度アトロピン点眼を組み合わせることで、近視の進行をさらに遅らせる相乗効果(追加効果)が得られることが確認されています。

10

生活環境における悪習慣は
治療効果を完全に打ち消してしまう

コロナ禍のロックダウン時のデータにおいて治療効果が全く見られなかったように、スクリーンタイムの増加や屋外活動の減少といった生活上の悪習慣は、優れた治療であってもその効果を打ち消してしまうことが示されています。

お子様の目のご相談は、お気軽に当院へ

初めての方も、定期検診の方もどうぞ。

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